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私用カードで払ったガソリン代の仕訳|個人事業主の経費漏れ・二重計上を防ぐ

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軽貨物の仕事を個人で請けていた頃、経費用のクレジットカードの利用枠が足りず、私用カードで給油したことがあります。普段の経費用カードだけを見ていると、その給油は帳簿から漏れます。あとからレシートとカード明細の両方で登録すれば、今度は同じ給油を二度数えてしまいます。

私用カードと引き落とし口座の両方を事業の帳簿で管理していない場合、仕事の給油代は、給油日に「車両費/事業主借」で一度だけ記帳します。 この場合、私用口座からカード代が引き落とされても、追加の仕訳は不要です。給油日に「未払金」を計上している場合は、事業口座と私用口座のどちらから引き落とされても、支払った分だけ未払金を減らします。

この記事は個人事業主本人の支払いを扱います。仕訳は、原則の発生主義・税込経理・カード一括払いを前提とした例です。日付と金額は説明用です。

私用カードで払っても、経費にするのは仕事で使った分

仕事専用の配送車なら、事業に必要な給油代を記帳します。仕事にも私用にも使う車なら、走行日・目的・距離などを記録し、その記録から区分できる事業分を経費にします。たとえば走行記録をもとに事業分を60%と説明できる場合、給油代6,000円のうち事業分は3,600円です。60%は計算例なので、自分の使い方に合う根拠を残してください。

国税庁「必要経費の知識」

ガソリン代6,000円の仕訳を、帳簿の管理方法で分ける

以下は6,000円全額が事業用の場合です。 上の60%で按分する例とは別に、11月5日の給油と12月10日の引き落としを例にします。給油代の科目は「車両費」にそろえています。普段の帳簿で「燃料費」などを使っている場合は、その科目にそろえてください。

私用カードと引き落とし口座を事業の帳簿で管理していない場合

「事業主借」は、自分の私用資金で事業の支出を負担したことを記録する科目です。給油日には仕事で使った分だけを記帳します。私用の買い物は帳簿に入れず、私用口座の引き落としでも仕訳を追加しません。

私用カードと私用口座を帳簿で管理しない場合
日付・取引 借方 貸方
11月5日 給油 車両費 6,000円 事業主借 6,000円
12月10日 私用口座から引き落とし 仕訳なし 仕訳なし

同じ年の12月15日に、上の立替分6,000円を事業用の普通預金口座から帳簿に載せていない私用口座へ振り込んだとします。事業口座から実際に出金しているので、振込日にその動きを記帳します。

12月15日 借方:事業主借 6,000円 / 貸方:普通預金 6,000円

給油日に記録した事業主借と、事業口座の預金残高がそれぞれ6,000円減ります。車両費は給油日に一度計上済みなので、精算時に追加すると二重計上になります。

弥生「個人用のクレジットカードで経費を支払ったときの仕訳」 / 弥生「カード利用時と引き落とし時の入力方法」 / 弥生「経費を立て替えて支払ったとき」 / マネックス「立て替えてもらったお金を返すときの仕訳」

カードの未払残高と引き落とし口座を事業の帳簿で管理している場合

給油日に「未払金」を記録し、引き落とし日にその未払金を減らします。下の表は、この給油6,000円分だけを抜き出した例です。

カードの未払残高と口座を帳簿で管理する場合
日付・取引 借方 貸方
11月5日 給油 車両費 6,000円 未払金 6,000円
12月10日 事業口座から引き落とし 未払金 6,000円 普通預金 6,000円

このカードで私用の買い物もした場合は、利用日に「事業主貸/未払金」などで区別します。まとめて引き落とされたら、カード明細の対象期間と請求額を見て、未払金の残高と照合します。

弥生「カード利用時と引き落とし時の仕訳」

カードの未払残高だけを帳簿で管理している場合

給油日に「車両費/未払金」と記帳し、12月10日に帳簿に載せていない私用口座から6,000円が引き落とされた場合も、未払金の消込みが必要です。消込みとは、帳簿に残っている「まだ払っていない金額」を、実際に払った分だけ減らすことです。

12月10日 借方:未払金 6,000円 / 貸方:事業主借 6,000円

私用のお金で支払ったので、貸方には「事業主借」を使います。給油代は給油日に記帳済みです。引き落とし時はこの仕訳で支払いを反映します。

マネーフォワード「カード決済の代金が引き落とされた場合」

12月に給油して、引き落としが翌年になる場合

原則の発生主義では、その年に支払う義務と金額が確定した通常の給油代は、その年の経費です。12月に給油し、翌年1月に引き落とされる場合も、12月分として記帳します。現金主義の特例を適用している場合は、記帳時期の取り扱いを確認してください。

国税庁「必要経費の算入時期」

月末に、経費の漏れと二重計上を確かめる

給油所のレシート、カードの利用明細、銀行口座の引き落とし。記録は複数残りますが、経費として数える給油は1件です。6,000円をレシートから手入力し、同じ給油をカード明細からもう一度登録すると、帳簿では給油代が12,000円になってしまいます。

  1. 私用カードから仕事分を拾う。 給油のほか、高速代や備品代もレシートとカードの利用明細で確認します。
  2. 帳簿と照らし、1件だけ載っているか確かめる。 利用日・店名・金額・使ったカードを見ます。同じ日に同額の取引があるときは、レシートまで照合します。
  3. 引き落としと未払金を確認する。 未払金を計上している場合は、引き落とし元が私用口座でも、支払った分だけ未払金が減っているか確認します。立替分を事業口座から精算した場合は、その出金を記帳し、給油代を経費に追加していないか確認します。
  4. 次に見たときに分かる目印を残す。 レシートや管理一覧に、登録済みの日付や帳簿の取引番号を添えます。

連携済みのカードは明細から登録し、レシートは内容の確認と保存に使う。連携していない私用カードは、仕事分だけをレシートから登録する。このように、支払いごとに登録元を一つに決めておくと整理しやすくなります。あとで私用カードを連携したときは、すでに手入力した期間の取引が取り込まれていないか、登録前に確認してください。

レシートと明細を保存する

カード明細で支払いを確かめ、給油所のレシートで購入内容を確認できるよう、両方を残します。消費税を本則課税で計算し、仕入税額控除を受ける場合は、原則として帳簿と給油所が発行する適格請求書等を保存します。カード会社の請求明細書だけでは適格請求書等に当たりません。一定の事業者には少額特例があります。所得税で経費にする判断と、消費税の控除要件はそれぞれ確認してください。

紙のレシートは紙のまま保管できます。画像だけを残すにはスキャナ保存の要件を満たす必要があります。メールやWebで受け取った領収書等は、電子データとして保存します。

国税庁「クレジットカード会社からの請求明細書」 / 国税庁「少額特例」 / 国税庁「電子帳簿保存」

弥生で取り込んだ明細を確認する

私は個人で軽貨物の仕事をしていたとき、弥生の青色申告ソフトを使っていました。以下は、現在の「やよいの青色申告 オンライン」の公式案内に基づく手順です。

「スマート取引取込」では、対応する銀行・クレジットカードの明細やレシートなどから仕訳を作成できます。「未確定の取引」で内容を確認し、登録する取引を選びます。引き落とし口座を事業の帳簿で管理するかどうかで、「クレジットカード」と「クレジットカード(個人用)」の入力が分かれます。カードの残高を管理する場合、取り込んだ私用分も残高を合わせるため事業主貸などに区分します。残高を管理しない私用カードは、事業に関係する支払いだけを登録します。

導入を考えている場合は、使っているカードが連携に対応しているか、取込後に取引を確認・修正できるかを見ておくと選びやすくなります。

弥生「スマート取引取込の概要」 / 弥生「取引を登録する手順」 / 弥生「事業用と個人用の明細が混ざっている場合」

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まずは今月の給油を1件確認する

今月、私用カードで払った仕事の給油があれば、レシートとカード明細を1組だけ出してみてください。帳簿に載っているか、同じ給油を二度入れていないか。この2点が確認できれば、ほかの立て替えにも同じ手順を使えます。

帳簿をつける方法や、会計ソフトと税理士をどう使い分けるかは、青色申告と白色申告の違いを解説した記事で説明しています。

すでにつけた帳簿との調整や、事業分と私用分の区分に迷う場合は、手元の明細をもとに税務署や税理士に確認してください。